2023.12.07

X(Twitter)とYouTube動画の共有:著作権に気をつけて楽しく発信!

1.自分の見つけた動画をX(Twitter)で伝えたい!

 近年、身の回りの情報を発信できるサービスとしてSNSが定着しており、中でもX(Twitter)は、スマートフォンやパソコンから手軽にメッセージを発信することができ、多くの人々に利用されています。

 利用者の中には、YouTubeなどで自分が見つけた動画を誰かに伝えたい!この動画の面白さを誰かにわかってもらいたい!という方も、少なくないのではないでしょうか。

 もっとも、YouTube動画は、第三者が投稿したコンテンツですので、ポスト(ツイート)の際には、投稿者の著作権を侵害しないよう、気をつけなければなりません。

 

2.無断転載はNG!

 まず、X(Twitter)に直接、動画をアップロードすることは、著作権との関係で問題が無いのでしょうか。

 著作権法上、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」を著作物とよび、YouTube動画は、投稿者が、多くの時間をかけて、撮影や編集を行い、生み出された表現物であり著作物です。

 動画を作成した投稿者には、複製権や公衆送信権が認められ、私的利用や引用などの例外を除き、第三者が無断で動画を複製・転載することはできません。 
 ですので、YouTube動画を投稿者の許可なく無断でアップロードしてポスト(ツイート)することは、著作権を侵害するものとして許されません。

 

3.リンクは大丈夫?場合によっては、問題になる場合も!

 では、YouTube動画のリンクを貼り付けてポスト(ツイート)することは問題ないのでしょうか。

 リンクを貼り付ける場合、あくまでポスト(ツイート)されるのは、他者の著作物の所在を示した文字列ですので、動画を複製したり、送信したりするものではなく、原則としてリンクを貼る行為自体が、投稿者の著作権を侵害することにはなりません。

 この点、過去の事例でも、同様にリンクの貼り付け行為の著作権侵害を否定した裁判例があります(大阪地裁平成25年6月20日)。

 もっとも、どのような場合でも問題がないかというとそうではなく、いくつか、注意しなければならない点があります。

 まず、リンク元の動画そのものが他者の著作権を侵害するものでないよう注意しなければなりません。
アニメやドラマなどを違法にアップロードした動画のリンクをポスト(ツイート)した場合、著作権侵害をほう助したとみなされる可能性も否定できません。

 また、法令以外にもYouTubeやX(Twitter)は、独自のガイドラインを定めており、ポスト(ツイート)の際には、法令だけでなくガイドラインも遵守するよう留意しなければなりません。

 YouTubeの規約によれば、YouTube動画のリンクをX(Twitter)に載せるには、動画の共有機能や埋め込み機能を使うこととされておりますので、ポスト(ツイート)をするときは、必ず、共有ボタンからリンクを取得するようにしましょう。

 

4.情報発信の楽しみと責任

 SNSを通じて、自由に自分の情報を発信できるようになりました。
X(Twitter)も一つのツールとして幅広く受け入れられ、色々なバックグラウンドや地域の人々と簡単につながることに役だっています。

 一方、人との関わりが拡大した分、他者の権利への配慮も忘れてはなりません。法令やルールを守って楽しくポスト(ツイート)しましょう!