企業法務は、事業内容や、その時々の企業の状況に応じて、多種多用な法的事象が生じ得る分野です。当事務所には、弁護士以外に、行政書士、社会保険労務士が所属していますので、労務管理関連であれば社会保険労務士部門と、各種許認可や組織再編等に関わる問題であれば、行政書士と連携を図りながら、法的事象に対し、多角的にフォローアップすることが可能です。
法令等の知識・ノウハウはもちろん、行政や各種団体等に必要な調査を丹念に行い、スピード感をもって、問題解決に取り組みます。
【取扱い業務】
- 企業法務一般
- 就業規則、雇用契約書の作成、運用アドバイス
- 契約書作成(渉外案件を含む。)
- 契約書確認、審査
- コンプライアンス(法令遵守)相談
- 広告表示の確認 等
- 研修・セミナー
- 助成金申請
- 労務顧問
企業法務一般
1.就業規則作成・運用アドバイス
当事務所では、弁護士と社会保険労務士が就業規則の作成のみならず、規則の運用についても丁寧にアドバイスいたします。
就業規則作成の重要性
多くのトラブルは、会社と労働者の権利義務があいまいになっていたり、組織としてのルールがきちんと整備されていない、または周知されていないことが原因で起こります。そこで、就業規則により、予め会社及び従業員の権利義務、組織のルールを明確に定め、これに沿った運用を徹底することが、トラブルの回避につながります。
ニーズに沿った就業規則の作成
就業規則に記載がないと、業務命令そのものができないものがあります。例えば、転勤・出向の命令は、それが就業規則に明記されていないと命令できませんし(嫌と言われたら強制できない)、懲戒処分についても懲戒事由と処分の種類が予め就業規則に記載されていないと処分そのものができません。そのため、就業規則に関しては、まず事業主のニーズに沿った、実現可能性のあるものを作成しておくことが重要です。
適切な運用
就業規則は、単に規定し、周知しただけでは、その役割の50%を遂行したに過ぎません。
「業務命令に違反した場合は懲戒解雇とする」と記載があったとしても、一度、業務命令に違反したら、すぐに懲戒解雇できるわけではありません。度重なる業務命令違反を行った場合は、懲戒解雇できますが、その場合であっても、後日の紛争を防止するため、業務命令違反を行うたびに、その事実や、本人と面談の上、改善を促した、ということを全て記録化しておくことが重要になります。業務命令違反や業務ミスの指摘については、口頭による指導で終わっている会社も多いですが、いざ紛争になった際、一連の事実を証明することが難しいのです。
トラブル予防のための適切な労務管理の代表例
入社時
労働契約書の作成(有期雇用の場合、特に重要)、就業規則の周知、残業申請・休暇取得手続の説明、賃金控除項目の説明、各種保険の加入手続等
在籍時
日々の労働時間管理(特に残業管理)、指導記録の作成、労働条件を不利益にする場合は合意書の取付け等
退社時
退職届の受理、解雇理由書の作成、保険離職手続等
2.契約書作成
丁寧なヒアリングのもとに、契約の目的・実態を踏まえ、形式面・内容面とも、ご相談者の意向に沿う契約書を作成いたします。
当事務所では、多くの顧問先企業の依頼のもと、売買、賃貸借、請負、委任等の典型契約から、業務委託、代理店契約や特定個人情報の取扱いに関する契約、秘密保持契約等の非典型契約について、多数の契約を幅広く扱っています。
3.契約書確認/審査
必要十分な情報を収集し、ご相談者の契約における位置付け(例えば、業務委託契約であれば、委託者側か受託者側かなど)や契約締結において重視される事項(迅速な締結か、内容の有利性の追求かなど)などを尊重した上で、迅速かつ的確なリーガルチェックを行います。
あまり深く考えず、定型処理をしがちな印紙についても、その契約書の法的性格をしっかりおさえた上で、特に非典型の契約書については、必要に応じて税務署照会をかけるなどして、フォローいたします。
4.コンプライアンス(法令遵守)相談
新規事業、組織体制に関し、予防法務としてのリーガルチェックから、現在の体制や個別案件・業務についてのリーガルチェックを行います。
5.広告表示の確認
インターネット、新聞、雑誌等、広告媒体の特性を踏まえた上、展開しようとしている商品・サービス役務の広告内容及び表示が、景品表示法、薬事法、古物営業等の関連諸法との関係で、法的リスクがないか確認を行います。
研修・セミナー
法務や人事労務等の一般基礎知識の研修から、企業が抱える個別の課題や業界特有のトラブル事例の具体的対応策など、オーダーメイドの研修・セミナーを承ります。
管理者向けの人事労務関連研修については、弁護士のほか、社会保険労務士により細かな実務上の問題までフォローいたします。
ZOOM等を用いた、ウェブ研修にも積極的に対応しております。
研修事例
- 人事労務(労働時間管理、採用、解雇)に関する基礎知識研修
- 契約に関する基礎知識研修
- 業界特有のトラブル事例の具体的対応に関する研修
- メンタルヘルスに問題を抱えた従業員対応
- 反社会的勢力への対応研修
- ハラスメント講習 等
当事務所の研修事例
実施した研修を一部ご紹介いたします。
1.人事労務関係
<管理職向け人事労務の基礎知識研修(ZOOMセミナー)>
労働時間に関する基本的事項や、採用・試用期間・解雇に関する基礎知識について、事例問題形式で講義。
後日、受講者に対し、小テストによるフォローアップを実施しました。
<就業規則作成に関するポイント研修>
従業員との間で労務トラブルが起きた際、就業規則にどのように記載されているかが重要です。そして一旦、作成・周知した就業規則は、後日、無制約に変更ができるものではありません。そこで、就業規則の中で、どの条項が問題となりやすいのかを踏まえ、どこに留意して作成すべきかのポイントについて、網羅的に解説・講義を実施しました。
<事業者と従業員との労務トラブル研修>
メンタルヘルスに問題を抱える従業員への対応や、適性・能力不足を原因とする契約不更新時の注意点等、実際のトラブル事例をもとに、関係する法令や事業主側が配慮すべき点の講義を実施。
2.一般企業法務関係
<契約書の作成・審査に関する基礎知識研修>
業務委託契約、秘密保持契約を題材として、契約締結の際、どのような点に注意すべきかについて、➀形式面、➁内容面、➂社内での審査方法の3つの観点から講義。
3.具体的なトラブル対応
<保育現場におけるトラブル対応>
保育現場において、想定されるトラブル事例をもとに、関係する法令の知識や管理者、及び保育士が特に注意すべき点等を講義。
4.その他
<上場予定の企業に対する反社会的勢力への対応研修>
反社との関わりをもたないための予防的措置、仮に、関係をもってしまった場合にはどのように対処するか等、企業としてあるべきスタンスと、より実践的な対応策を講義。
費用
具体的なご要望をお伺いした上で、お見積りいたします。
助成金申請
豊富な実績・経験のある社会保険労務士が申請を代行します。
新たに従業員を雇入れる場合や、新たに導入する人事制度・賃金制度のが、女性や高齢者、非正規雇用の方に関するものである場合には、是非、事前に助成金メニューをご確認下さい。
助成金とは
最近の助成金のキーワード
助成金とは、事業主が国の施策に沿って行動した場合に国からもらえる補助金です。
現在、国が一番力を入れているのは、少子高齢化に伴う深刻な労働力不足を解消することです。労働力不足の解消手段として、➀女性・高齢者・障害者・外国人等の就労を促進し、労働人口を増やす、➁女性の出産・育児を促進して将来の働き手を増やす、➂労働者一人当たりの生産性を上げるという手法が考えられるため、最近の助成金メニューは、これらを実現するための制度導入に対するものが主流となっています。
複雑な申請要件
助成金の支給を受けるには、各種助成金固有の要件を満たすことはもちろんですが、以下の共通のルールがあります。
- 解雇をしない
- 残業代を正確に払う
- 雇用保険・社会保険に適正に加入する 等
つまり、日常の労務管理を適正に運用していることも必須となります。
助成金の要件は、毎年のように見直しがなされることに加え、これらの要件を理解し、申請時に適正な運用を担保する書類を正しく添付するには、経験と労務管理に対する正確な知識が必要です。当法人に在籍する社会保険労務士は、助成金申請に豊富なノウハウがあります。是非、お気軽にご相談下さい。
おすすめの助成金
事業主にとって、比較的メリットの大きい(負担が少なく、補助金額は大きい)助成金を2つご紹介します。
キャリアアップ助成金
➀どんな場合にもらえるか?
有期雇用・無期パートタイマー等の非正規社員を正社員化した場合、また派遣社員を直接雇用した場合等、雇用の安定化を図った場合です(別途詳細要件があります)。
➁いくらもらえるか?
- 有期雇用契約社員を正社員化・・・57万円【大企業の場合42万7,500円】
- 無期雇用社員を正社員化 ・・・28万5,000円【大企業の場合21万3,750円】
- 助成金額は令和5年4月1日現在の金額です
- 中小企業と大企業の区別
小売業(飲食店を含む) | 「常時雇用する労働者数50人以下」又は「資本又は出資の額が5千万円以下」 |
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サービス業 | 「常時雇用する労働者数100人以下」又は「資本又は出資の額が5千万円以下」 |
卸売業 | 「常時雇用する労働者数100人以下」又は「資本又は出資の額が1億円以下」 |
その他の業種 | 「常時雇用する労働者数300人以下」又は「資本又は出資の額が3億円以下」 |
特定求職者雇用開発助成金
➀どんな場合にもらえるか?
職業安定所を通じて、母子家庭の母(父子家庭の父)、60歳以上の高年齢者、障害者等、一般的に就職が困難とされる労働者を雇い入れ、一定期間以上の安定した雇用状態を継続した場合です(別途詳細要件があります)。
➁いくらもらえるか?
<週所定労働時間が20時間以上30時間未満の雇用契約の場合>
- 重度障害等を含む身体/知的/精神障害者・・・半年ごとに20万×4回【大企業は15万×2回】
- 上記以外・・・半年ごとに20万×2回【大企業は15万2回】
<週所定労働時間が30時間以上の雇用契約の場合>
- 重度障害者・・・半年ごとに40万×6回【大企業は33万×3回】
- 重度障害等を除く身体/知的/精神障害者・・・半年ごとに30万×4回【大企業は25万×2回】
- 上記以外・・・半年ごとに30万×2回【大企業は25万×2回】
他にも、高齢者の継続雇用を延長・定年を廃止した場合、50歳以上定年未満の有期雇用の高齢者を無期雇用化した場合等も、助成金がございます。お問い合わせ下さい。
費用(10%税込表示)
キャリアアップ助成金
➀着手金:
事前の相談、就業規則の変更・キャリアアップ計画書の作成・労働局への届出
2万2,000円~
➁成功報酬:
実際に助成金が認められた場合にのみ発生
助成額の20%
特定求職者雇用開発助成金
➀着手金:
無料
➁成功報酬:
実際に助成金が認められた場合にのみ発生
助成額の20%
労務顧問
弁護士・社会保険労務士による労務相談、社労士による保険手続、給与計算のサービスです。
ご相談の案件、対応範囲や事業規模に応じ、顧問料をご提案させて頂きます。
■お見積り例(10%税込表示)
*161名以上は、ご相談下さい。
従業員数(名) | 手続のみ | 給与のみ | 手続+給与(10%引き) | 労務顧問(社労士) | 手続+給与+労務相談(15%引き) | ||
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1 | ~ | 5 | 15,950 | 16,500 | 29,205 | 11,000 | 36,933 |
6 | ~ | 10 | 20,900 | 22,000 | 38,610 | 11,000 | 45,815 |
11 | ~ | 15 | 25,850 | 27,500 | 48,015 | 11,000 | 54,698 |
16 | ~ | 20 | 30,800 | 33,000 | 57,420 | 11,000 | 63,580 |
21 | ~ | 25 | 35,750 | 38,500 | 66,825 | 11,000 | 72,463 |
26 | ~ | 30 | 40,700 | 44,000 | 76,230 | 11,000 | 81,345 |
31 | ~ | 40 | 50,600 | 55,000 | 95,040 | 11,000 | 99,110 |
41 | ~ | 50 | 60,500 | 66,000 | 113,850 | 11,000 | 116,875 |
51 | ~ | 60 | 63,800 | 77,000 | 126,720 | 16,500 | 133,705 |
61 | ~ | 70 | 70,400 | 80,300 | 135,630 | 16,500 | 142,120 |
71 | ~ | 80 | 77,000 | 90,200 | 150,480 | 16,500 | 156,145 |
81 | ~ | 90 | 83,600 | 100,100 | 165,330 | 16,500 | 170,170 |
91 | ~ | 100 | 90,200 | 110,000 | 180,180 | 16,500 | 184,195 |
101 | ~ | 110 | 96,800 | 113,850 | 189,585 | 16,500 | 193,078 |
111 | ~ | 120 | 103,400 | 123,200 | 203,940 | 16,500 | 206,635 |
121 | ~ | 130 | 110,000 | 132,550 | 218,295 | 16,500 | 220,193 |
131 | ~ | 140 | 116,600 | 141,900 | 232,650 | 16,500 | 233,750 |
141 | ~ | 150 | 123,200 | 151,250 | 247,005 | 16,500 | 247,308 |
151 | ~ | 160 | 129,800 | 160,600 | 261,360 | 16,500 | 260,865 |
■弁護士顧問を追加する場合 (10%税込表示)
- 40名規模まで 月額 22,000円
- 41名~100名まで 月額 33,000円
- 101名以上 月額 44,000円